梅本 和比己: 2007年11月アーカイブ

先日、ある中学校の先生の生徒との関係についての悩みを聞く機会がありました。この先生は、子供が好きですし、教科を教えることについてもとても熱心な方です。ところが、今年受け持っている学級の中に、学習意欲も低く、また学校での生活そのものにもあまり関心のない生徒がいるために、気が重いと言います。

 今どきそんな話は、どこでもあたりまえだという方もいますが、その先生は、どんな生徒でもかかわり方次第だと考えています。今までも、夜遅くまでテニス部の部活指導や生徒会の活動にも熱心に取り組み、生徒達からも結構慕われている先生として保護者からも信頼されています。

 しかし、この度の生徒の場合は、見るからにおとなしく自分から話しかけるというようなこともありませんし、質問しても黙っていることが多く、まったく話が進まないのです。この先生の性分として、「なんとか、やる気をだせるようにしてあげたいが、うまくいかない」というのが、先生の悩みの種なのです。

 私は、先生に「この際、先生から何かをしてあげる」という考えを、一度取り去ってみるのは、どうですか?と聞いてみました。そして、その生徒に学校にいる時の時間は、どのような時間なのか静かに聴いてみてはいかがですか?とお勧めしてみました、

 何を聞くかですが、学校にいる時間の楽しさとつまらなさの配分を聞くのです。もしかしたら、その生徒は、先生から見るとつまらなくみえても、本人は、案外楽しいかもしれません。そして、どうしても何かいいたいなら、先生として生徒にには、「できるだけ有意義に過ごして欲しいから、あなたのことが気になるんだ」と伝えればいいと思います。

後日の先生から報告によると、生徒は先生が考えるほど心配する必要もなく、自分の将来についてもしっかりと考えていたということが分かったそうです。もしかしたら、生徒の気持ちにそって生徒の話を聴いた初めての体験かもしれないと、生徒の話を聴きながら思ったそうです。

梅本 和比己
(株)チーム医療代表取締役
1997年 日本交流分析学会認定交流分析士、
2002年 サンタフェNLP/発達心理学協会認定トレーナー資格を取得し、日本に広くNLPを伝える。
NLPプラクティショナー、NLPマスタープラクティショナー の認定のほかに、子育て講座、ストレス対処、人間関係改善などの講演活動も行っている。
著書に『栄養指導・教育のためのコミュニケーション技法』(第一出 版)、『苦手意識は捨てられる』(中経出版)など。

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